いわゆる「ゆっくり実況」と言われるものを作ってみようと思い、ゆっくりMovieMaker4 (YMM4) を導入することを検討しました。その際「ゆっくりMovieMaker4」と「ゆっくりMovieMaker4 Lite」が存在することを知りました。
ゆっくりMovieMaker4の公式サイトに二つの違いについての記載はありますが、最も気を付けないといけないライセンス周り商用利用・広告付き動画についてやYMM4とYMM4Liteの違いは?の説明が割と簡単なものであったため、この辺を深堀してみました。
ゆっくりMovieMaker4 (YMM4) とは
ゆっくりMovieMaker4 (YMM4) とは、株式会社アクエストが開発・販売している組み込み用の機械音声「Aquestalk」を内蔵した「ゆっくり実況」向けの動画編集ソフトです。饅頭遣い氏 (@manju_summoner) によって開発されています。
2011年に初代YMMが登場、現在は2022年にリリースされたYMM4が最新版となっています。
YMM4は個人利用ライセンスの下での使用であれば無料で使うことができます。以下抜粋。
対象となる方
個人の方が直接間接を問わず営利を目的としない場合に限ります。
個人利用ライセンス | 株式会社アクエスト
個人であっても、個人事業や、会社や学校等での利用は対象となりません。
個人利用ライセンス対象外の用途で使用する場合は、AquesTalkに関連するライセンスの購入が必要となります。
ゆっくりMovieMaker4 Lite (YMM4 Lite) とは
ゆっくりMovieMaker4 Lite (YMM4 Lite) とは、通常のYMM4から、商用利用の際にライセンスの購入が必要となるAquesTalk1、AquesTalk2、AquesTalk10を取り除いた状態で配布されているバージョンです。なお、AquesTalkを後から追加することも可能です。
個人利用ライセンス対象外の用途で使用する場合を想定して用意されています。
注意点としては、YMM4 Liteはどのような場合においても無料で利用できるのではなく、YMM4 LiteにAquesTalkが含まれていない場合に無料で利用できるという点です。YMM4 LiteにAquesTalkを追加した場合、何らかの理由でYMM4 LiteにAquesTalkが含まれている場合において、個人利用ライセンス対象外の用途でYMM4 Liteを使用するとライセンス料が発生します。
YMM4とYMM4 Liteの違い
前述したように、個人利用ライセンスの下であればYMM4も無料で使用できます。
しかし、個人利用ライセンス対象外の用途で使用する場合かつ無料で使用したい場合はYMM4 Liteを選ぶ必要があります。ただ注意点として、YMM4 LiteはAquesTalkが付属しないため「ゆっくりボイス」を使用することはできません。
そのため、個人利用ライセンス対象外の用途で用いるかつ「ゆっくりボイス」を使用したいということならYMM4を、ライセンス料を支払い有料という形で利用することになります。
YMM4 Liteを選んだ場合、音源はどうするのか
前述したように、YMM4 LiteはAquesTalkが付属しないため「ゆっくりボイス」を使用することはできません。そのため、YMM4 Liteと併せてサードパーティー製の音声合成ソフトを使用する必要があります。対応しているソフトは以下です。
※リンクは、YMM4で各ソフトを使用する方法について書かれた公式ページになっています。
ゆっくりMovieMaker4 | 饅頭遣いのおもちゃ箱
- A.I.VOICE
- CeVIO CS7 / CeVIO AI
- CoeAvatar
- CoeFont
- COEIROINK
- ITVOICE
- Koemotion / Koeiromap
- LMROID
- SHAREVOX
- VOICEPEAK
- VOICEVOX
- よみてのれゐ
- 唄詠
- Google Cloud Text-to-Speech
- Amazon Polly
- Microsoft Azure Text-to-Speech
- その他SAPI系音声合成エンジン
サードパーティー製の音声合成ソフトでもものによっては有料ライセンスが必要であったりします。
リストの中で最近よく使われているものとしてはVOICEVOX(公式サイト)でしょうか。ずんだもんなどがこれに該当します。VOICEVOXは無料で商用・非商用問わず使用することができるため人気です。ただ、使用する場合はVOICEVOXの利用規約等を必ず確認してから使用してください。
【VOICEVOXの利用規約】
まとめ
個人勢がYouTubeなどで動画を投稿する場合は、
- 商用の「ゆっくり実況」を行いたいのであればYMM4を有料で使用する
- 「ゆっくりボイス」にこだわりがないのであればYMM4 Liteでサードパーティー製の音声合成ソフトを使用する
というのが良いかと思います。
AquesTalkライセンスはそれなりに値段がするのとライセンス期間が1年と短いので、お金を掛けずに気楽にやりたい、一先ず無料で試したいという場合には、2の方法を選ばれると良いのかなと思います。後から必要になればライセンスを購入してAquesTalkを追加すれば良いので。
私は「ゆっくり実況」の形で動画を投稿することを考えていましたが、初期費用やランディングコストを抑えたいこと、「ゆっくりボイス」にこだわりがあるわけではないことから、YMM4 LiteとVOICEVOXで動画を作ることにしようと思います。
以上、ゆっくりMovieMaker4とLiteの違いについての説明と、YMM4を使用した動画制作に必要なものの紹介でした。
ライセンス周りの話ですので利用される場合はご自身でも良く確認を行い、自己責任のもとでご利用ください。
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