アニメ配信サブスクはどう選ぶべきか。トレンドとおすすめの動画配信サービスを5つ紹介

筆者が最もアニメを視聴していた時代は2009年~2013年頃です。この頃もネット上でのアニメ配信(アニメワンなど)は存在していましたが現在のように一般的ではなかったため、テレビを録画したり、ワンセグで視聴したりしていました。

動画配信サービスが世に浸透し始めたのは、Netflixが国内に上陸した2016年度以降のように思います。そして2020年頭に登場した新型コロナにより、動画配信サービスは急速に拡大していきました。今では「VOD(ビデオ・オン・デマンド)」という言葉が、一般ユーザーにまで浸透し始めています。

場所やデバイスを選ばない動画配信サービスは確かに便利です。しかし、国内外の数多のVODサービスから自分に適したサービスを見つけるのはそれなりに労力が必要となります。

この記事では、動画配信サービスの種類とトレンドを紹介しつつ、アニメの視聴におすすめな配信サービスは何かを考えます。これにより、読者の方が動画配信サービスを選ぶ際の一助になるのではと考えます。なお、ここで取り上げるサービスは、筆者が一度試したサービスのみとなります。

また、この記事では、インプレス総合研究所が公開している「【2023年度版】動画配信サービスの市場レポート(市場規模、トレンド)」を適宜参考・引用しています。

目次

動画配信サービスのビジネスモデル

動画配信サービスとは何かという定義については、既に多くの人が何となく理解していると思いますので割愛します。ここで触れるのは、動画配信サービスがどのようなビジネスモデルとなっているかの概要です。ユーザー側もこれを理解しておくことで、サービスを選ぶ際により良い選択ができるのではないかと思います。

「VOD(ビデオ・オン・デマンド)」は、ユーザーが好きな時間・場所で視聴を開始でき、一時停止や早送り・逆再生などの操作を自由に行える動画サービスを指します。なお、この記事では、動画配信サービスとVODを同義として扱います。

VODは、2つのビジネスモデルに大別されます。

  • ユーザーが直接課金することで動画視聴を可能とする有料モデル
  • 動画再生時に広告を表示する無料モデル

さらに各モデルを分けると次のようになります。

種類内容
SVODいわゆるサブスク形態の有料モデル。毎月定額を支払うことで対象の動画が見放題になるものが多い。SVODは、Subscription Video on Demand(定額制動画配信)の略。
AVOD動画の再生時に広告を表示する代わりに、ユーザーは無料でサービスを利用できるモデル。AVODは、Advertising Video On Demand(広告型動画配信)の略。
PPV作品1本あたり500円、1話あたり200円のように、視聴量に応じてユーザーが課金する有料モデル。PPVは、Pay-Per-View (都度課金型動画配信)の略。形態としては2種類存在する。
TVOD: 対象作品をレンタルして視聴するモデル、Transactional Video On Demandの略。
EST: 対象作品を購入して視聴するモデル、Electric Sell-Throughの略。

動画配信サービスによっては、これら3つのモデルをまとめて提供し、ユーザー側が利用方法を選べるサービスもある。

動画配信サービスのトレンド

本記事で参考にしている「【2023年度版】動画配信サービスの市場レポート(市場規模、トレンド)」の元データ「動画配信ビジネス調査報告書2023」の発行日が2023年6月23日ですので、以下のグラフ2つは、この日以前のデータとなっています。

まず、動画配信サービスの認知度(図1)トップ5は、Amazon プライム・ビデオ、Netflix、Hulu、TVer、U-NEXTとなっています。やはり上位5つのサービスには、認知度・作品数ともに優れたものがランクインする傾向にあるようです。国内勢ではTVer、U-NEXTがランクインしています。TVerは、在京民放キー局5社と、在阪民放5社、広告代理店4社が共同出資しているだけあり、知名度はかなり高いようです。U-NEXTは、利用料金が高いもののコンテンツがとても充実しているため、自然と目に留まるのかもしれません。

図1. 動画配信サービスの認知度
【2023年度版】動画配信サービスの市場レポート(市場規模、トレンド)

続いて、利用している有料動画配信サービス(図2)トップ5は、Amazon プライム・ビデオ、Netflix、U-NEXT、Hulu、ディズニープラスとなっています。Amazon プライム・ビデオ、Netflixは、やはり認知度のみならず利用者も圧倒的に多いようです。U-NEXTは、3位にランクインしています。利用料金が高いわりにこれだけ上位にランクインするというのは、やはりコンテンツの充実度が評価を得ているのかもしれません。

図2. 利用している有料動画配信サービス
【2023年度版】動画配信サービスの市場レポート(市場規模、トレンド)

これらの結果から本記事で注目したい動画配信サービスは、dアニメストアです。dアニメストアは、動画配信サービスの認知度(図1)では圏外となっていますが、利用している有料動画配信サービス(図2)では7位にランクインしています。アニメ専門サービスにも関わらずこの位置にいるというのは、アニメ視聴者層から相応の支持を得ていると考えられます。

個人的おすすめのアニメ配信サービス

続いて、筆者が過去に使用したサービスの中から、おすすめしたいと思ったものをピックアップして列挙します。なお、選定基準は、アニメの視聴方法として適しているかです。

dアニメストア

公式サイトdアニメストア | 初めての方は初月無料のアニメ見放題サイト
種類SVOD
合計作品数約5,700本
アニメ作品数約5,700本
月額料金550円
無料期間31日
登録特典
ポイント利用料に応じてdポイント付与
詳細:dアニメストアでdポイントをためるには? | dアニメストア
2023年12月時点
こんな人におすすめ
  • 月々の料金を安く抑えたい
  • アニメに特化したオタ活向けサービスを探している

dアニメストアは、アニメ特化のVODサービスです。アニメ作品の取扱い数は約5,700本と国内トップで、料金は月額550円(税込)と安いことが特徴。しかも、アニメに関連した2.5次元舞台やライブ・ラジオなども扱っているため、アニメに特化したオタ活向けサービスとしておすすめです。

また本サービスでは、利用料に応じてdポイントが付与されます。他のサービスでもポイント付与はありますが、dポイントのように幅広い用途での使用はできないため、お得にアニメを視聴するという点においてdアニメストアは群を抜いている印象。VODサービス以外に漫画・小説やグッズも扱っており、これらの商品を購入した場合でもdポイントが付与されるためオタ活が捗るサービスとなっています。

無料体験期間が31日間ありますので、気になった方は試してみることをおすすめします。

dアニメストアの有料会員登録を行う場合、ブラウザ経由での入会がおすすめです。理由としましては、dアニメストアは、ブラウザからの入会では月額550円(税込)、アプリからの入会では月額650円(税込)と、入会経路ごとに料金が異なっているためです。

DMM TV

公式サイトDMM TV | 月額550円でアニメ・エンタメ見放題
種類SVOD
合計作品数19万作品以上
アニメ作品数5,600作品以上
月額料金550円
無料期間新規登録で30日間無料
登録特典新規登録で550pt付与
ポイント
2024年1月時点
こんな人におすすめ
  • 月々の料金を安く抑えたい
  • アニメ作品以外も見たい

DMM TVは、2022年12月にサービス開始された、DMM.comによる比較的新しい配信サービスです。配信サービスの中では低価格帯に位置していながらも、合計作品数19万作品以上、アニメ作品数5,600作品以上とコスパに優れていることが特徴。アニメ作品以外も視聴したいがコストは抑えたいという場合におすすめのサービスです。

本サービスは、新作アニメのカバー率で100%を目指していることもあり、新作アニメの見放題作品数で1位を取るなどの実績があります。また2023年3月にはDMM TVオリジナルのアニメスタジオ「CUE」が設立するなど、アニメの配信に力を入れていることが伺えます。

無料体験期間が30日間ありますので、気になった方は試してみることをおすすめします。

U-NEXT

公式サイトU-NEXT – 映画/ドラマ/アニメから、マンガや雑誌といった電子書籍まで
種類SVOD
合計作品数31万作品以上
アニメ作品数5,730作品(内330作品はレンタル)
月額料金2,189円
無料期間新規登録で31日間無料
登録特典新規登録で600pt付与
ポイント毎月1,200ポイント付与
2024年1月時点
こんな人におすすめ
  • 様々なジャンルの作品を見るが、契約するVODの数は絞りたい
  • 料金が高めでも、ポイントでバックされれば良い

U-NEXTは、今回紹介するVODの中で最も合計作品数の多いサービスです。月額料金が2,189円と高めですが、その分ポイントのバックが多いことが特徴。契約するVODの数は絞りたい、しかし、様々な作品を見たいという方におすすめのサービスです。

毎月付与される1,200ポイントは、新作や有料映像作品のレンタル、漫画や電子書籍の購入、映画チケットとの割引交換などで使用できます。ポイントは積み立てることもできるので、溜めておいて大人買いしたい漫画の購入に充てるなどの可能。サービスを利用しているだけで年間14,400ポイント使えると考えれば、月々の料金が気にならない方にとっては満足度が高いのではないでしょか。

無料体験期間が31日間ありますので、気になった方は試してみることをおすすめします。

AbemaTV

公式サイトAbemaプレミアム – 無料体験実施中 | ABEMA
種類AVOD、SVOD
合計作品数3万作品以上
アニメ作品数1,000作品
月額料金無料 / 960円
無料期間新規登録で2週間無料
登録特典
ポイント
2024年1月時点
こんな人におすすめ
  • アニメを無料で見たい
  • 放送中アニメをライブ形式で見たい

AbemaTVは、2種類のサービスを展開しています。1つは「Abema」というAVOD形式のサービス、2つ目は「Abema プレミアム」というSVOD形式のサービスです。

扱っているアニメ作品数が1,000作品と少ないAbemaですが、AVOD形式による無料配信作品数は今回紹介しているサービスの中でトップです。アカウントさえ作成すれば、無料でアニメを見れるという点ではかなり優れています。新作アニメでも放送後一週間ほどは無料会員でも見れるため、旬のアニメを気軽に見ることができます。

またAbemaでは24時間アニメを放送しており、これらはライブ形式で見ることができます。チャット欄にコメントを書き込んだり、他のユーザーが書き込んだコメントを見ることもできます。

Abemaプレミアムの無料体験期間は2週間ありますが、気になった方は、まずAbemaに無料会員として登録して試してみることをおすすめします。

Prime Video

公式サイトPrime Video | 映画、TV番組、ライブTV、スポーツを観る
種類SVOD、PPV
合計作品数情報なし
アニメ作品数情報なし
料金月額600円 / 年間5,900円
無料期間新規登録で30日間無料体験
登録特典Amazon Primeの各種サービス
ポイント
2024年1月時点
こんな人におすすめ
  • 月々の料金を安く抑えたい
  • Amazonをよく利用する

Prime Videoは、AmazonのPrime会員となることで利用できるVODサービスです。年間払いなら5,900円(月およそ492円)と低価格でありながら、Prime Videoの他にAmazon Primeの各サービスが使えるコスパ最強のサブスク特典の一つです。普段からAmazonで買い物をするなら、まず加入しておいて損はないでしょう。実際、利用者数は群を抜いて1位となっています。

なおPrime Videoが直接的に取り扱っている作品数は、Prime Videoチャンネルというサービスがあるためにそれほど多くはありません。Prime Videoチャンネルの選択肢にはdアニメストアもありますが、登録すればdアニメストアのすべての作品が見られるわけではないので、チャンネルの追加は正直あまりおすすめしません。Prime Videoは、あくまでPrime会員のおまけとして利用するのが賢いのではと思います。

とはいえ、Prime会員になればAmaoznでのお買い物がお得にできたりしますので、Amazonをよく利用する新規の方は、無料体験30日間を試してみてはいかがでしょうか。

Prime Videoチャンネルとは、Prime Videoとは異なり、Prime会員が、多くの有料チャンネルから観たいチャンネルだけ選んで登録してコンテンツを視聴できる、プライム会員向けのサービスです。これはPrime会員になるためのサブスク料金に加えてチャンネルごとの月額料金が掛かります。

各配信サービスの比較表

こちらでは、5つの配信サービスの違いが分かりやすいように表としてまとめました。よろしければ参考にしてください。

スクロールできます
dアニメストアDMM TVU-NEXTAbemaPrime Video
種類SVODSVODSVOD、PPVSVOD、AVODSVOD、PPV
アニメ作品数約5,700本約5,600本約5,730本約700本約4,000本
見放題作品数約5,700本約5,600本約5,400本約700本約800本
月額料金550円550円2,189円960円600円
無料期間31日30日31日14日30日
画質4K/FHD/HD/SDFHD/HD/SD4K/FHD/HD/SDFHD/HD/SD14K/FHD/HD/SD
OP/EDスキップ
倍速再生
ダウンロード
同時視聴4台まで4台まで22台まで3台まで
執筆時点
  1. Abemaの画質設定は「最高画質 / 高画質 / 中画質 / 低画質 / 最低画質 / 通信節約モード」から選択できます。なお「最高画質」がFHD相当のようです。 ↩︎
  2. ファミリーアカウントのみ同時視聴が可能で台数は4台まで。 ↩︎

サービスごとの使いやすさですが、私はあまり差はないと感じました。OP/EDとか毎回見るタイプなので…。強いて言えば4k再生できた方が嬉しいなぁぐらいです。

筆者が現在契約中の配信サービス

筆者は、現在「dアニメストア」と「Prime Video」を利用しています。

dアニメストアを利用する理由は、やはり作品数とdポイントです。私は殆どアニメしか見ないので、配信サービスにおいては取り扱っているアニメの作品数が何よりも重要です。また、ドコモユーザーであるため、dアニメストアのdポイント還元がとても有難い。Prime Videoは、Prime会員のおまけとして、たまに海外映画を見たくなった際などに利用しています。

紹介した他のサービスも良いのですが、私は、コスパ良くアニメをガッツリ見たいという目的でサービスを選んでいるので、この組み合わせにしています。

ちなみに、dアニメストアで扱っていないアニメ作品などを見たいという際には、一時的に他のサービスを契約することもあります。独占配信やオリジナル作品を見るには契約するしかないので…。基本的に、自身にとって最良の配信サービス、または組み合わせを確保しておき、不都合が生じた場合には他のサービスを一時的に利用するなどが良いと思っています。というか、VODという作品の囲い込み社会で可能な限り多くの作品を見るには、この方法しかないと思います。

以上、「アニメ配信サービスの選び方について」でした。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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